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歴史(転換期から現在)

建設業界が、嫌いだった。

建設業界が、嫌いだった。

昭和33年10月20日。
創業者黒木義雄と弘子の3人兄弟の長男として黒木義彦出生。 棟梁の息子として廻りから期待されていることに「嫌だな」と思うと同時に宿命だと感じた。 6年間の大学生活、地元工務店勤務を経て、昭和60年5月常務取締役として法人化した株式会社黒木建設へ入社した。

義彦はもともと建設業が好きになれなかった。建設業界の談合体質やだらしなさ、汗をかいても潤わない請負体質にまったく楽しさ、おもしろさを感じられず、自分の子供に自分の会社は自慢できないとも思った。

今の業界、今の会社の延長線では未来はない。自分の子供に自慢できる会社、個性を光輝かせられる会社、請負でなく付加価値を創造できる会社、 楽しくおもしろい会社創りをしたい。
「人財(ひと)を育てることが使命」「本物の追求」「人間愛溢れる会社」当時のこれらの想いが、のちの経営理念「人財(ひと)を創り」「安心を創り」「日本の豊かな暮らしを創る」制定の礎となる。
その想いを胸に創業から39年後の平成7年10月、株式会社黒木建設代表取締役へ就任した。

悪徳業者を、駆除する。

悪徳業者を、駆除する。

「自分の家は黒木建設がしっかり点検してくれとうばい!」
お客様のお宅に悪徳リフォーム業者が訪問しても、そう言って追い返してもらえる。 そんなお客様との信頼関係をつくりたかった。 経営理念に「安心を創る」とあるように、お客様に安心して住まいを任せてもらえる存在であるために。

不具合があってから駆け付けるのではなく、人間ドックと同じように、カルテをもとに定期点検する住宅診断システムを開発。 開発当初は全国版の雑誌に取り上げられたり、大手商材メーカーに招かれたりと、華々しいスタートを切った。 しかし、提案活動を活性させる時間と手段を見つけられないまま時間ばかりが過ぎ、ついには他社も同様の定期点検サービスを行う時代になった。

そんな現状を打開すべく、2016年春、防犯診断士の坂本氏とコラボし防犯診断システムを組み込んだ、「住まいのセーフティーチェッカーDr.護(まもる)くん」としてリニューアル。 これまでの住宅の劣化診断に、防犯面の弱点がないかのチェック項目が盛り込まれ、新たな一歩を踏み出した。

生涯の、安心を。

生涯の、安心を。

1990年代後半から、高齢化社会が注目され始めた。 「家族のつながりを大切にしてほしい」「ずっと家族と一緒に暮らせる住まいを提供したい」この想いから2つの事業をはじめた。

ひとつは介護支援システム『住まい・RU・クラブ』。
家族に介護が必要な状態になったとき、自宅を介護しやすい住まいへリフォームする費用を手助けする保険である。 快適な自宅介護をするためには大きな費用が必要となり、公的な補助だけではまかないきれない。 加入されていた地元のお客様でご活用の際には、大変喜んでいただいた。

そしてもうひとつは『いきいき生活事業部』。
地域にお住まいの高齢者へ向けて、介護用品や福祉用具のレンタルを取り扱った。 実物を見ながら選べる店舗として事務所の一部を改装し、近所の方がお茶をお飲みに気軽に立ち寄れる空間としても使える憩いのスペース『オレンジルーム』をつくった。 地元には先代からのお客様も多い。経営理念にあるように、お客様の『安心を創る』ことを、これからも地域に根ざし、発展していきたい。

『ハコ』づくりから、暮らし方の提案へ。

『ハコ』づくりから、暮らし方の提案へ。

博多には寺社仏閣が多く、商人の町ならではの町家も残っている。 当時山笠に出ていた義彦は、駐車場になったり、ビルに立て替わったりする現状を見ながら、古き良き博多の町並みを残したいと思っていた。

この想いをカタチにするため、『ロジハウス』は生まれた。
ロジハウスという名前の由来は、ロジ(路地=狭い通り、路地裏)という太閤町割を基に形成された、古き良き町並みを連想し、シンプルな言葉の中に「なつかしさ」をイメージして名づけた。
その頃、犯罪を起こした少年が、地域コミュニティの薄い住宅街に住んでいたことなどを本で目にした。 家づくりをする者として、地域や建物によって人格が形成されることへ責任を感じた。 家づくりを通して住む人の心豊かな人生のお手伝いをしたい。そう考え、『三世代同居のすすめ』をロジハウスのコンセプトとした。 また、祖父母と暮らすことで子供たちの思いやりを養ったり、家事や介護を支えあうことができる。

経営理念に『日本の豊かな暮らしを創る』とある。 日本の文化を継承した住まいと、そこに住む家族の暮らし方の提案。 それがロジハウスの使命である。

古き良き文化を、継承する。

古き良き文化を、継承する。

古来より日本字なは、四季を通してその季節、環境に順応した暮らし方があり、その暮らし方には先人のさまざまな知恵がみられる。 長い歴史の中で培われてきたその知恵と、現在の住環境との融合こそが、これからの日本の豊かな暮らしに大きく貢献できると考えた。

それを実現していくためには、建物の知識だけではなく、歴史・文化など多様な価値観を学び、高めていくことが大切であると感じ、社員全員で定期的に学ぶ機会を作っている。 東京で設計事務所の代表を務める丸谷博男氏に講師を依頼し、この勉強会を『丸谷塾』と命名。 丸谷氏は、東京藝術大学や千葉大学・多摩美術大学の非常勤講師を歴任し、現在は自然素材を用いる『呼吸する家』と太陽熱や地熱を利用する『そらどま』をあわせた『そらどまの家』の普及に力を注いでいる。
日本の住宅の励起しから、自然素材との付き合い方、住宅デザイン、海外の暮らし方まで、丸谷塾で幅広い学びを得ることで、日本の豊かな暮らしづくりへの設計提案、施工技術に役立っている。

人財は<財産>という考え方。

人財は<財産>という考え方。

『人財(ひと)を創る』。
経営理念はこの言葉からはじまっている。安心を創るのも、豊かな暮らしを創るのも、人財(ひと)あってこそだと黒木建設は考えている。 そのため個々が経営マネジメント力を持った人財(ひと)になるために、少数精鋭のプロ集団となることを目指している。

『企業は人財(ひと)なり 人財(ひと)に始まり人財(ひと)に終わる』。 黒木建設はこれからも、個々のやりがいや個性を大切にしながら、さまざまなことにチャレンジし、100年企業を目指していく。